恐竜はなぜ絶滅したか2010-01-31 04:07

副題 進化史のミステリーに挑む
著者 M.アラビー,J.ラブロック 中沢宣也,萩原輝彦 訳
発行 講談社 1984-12-20 1刷, 1993-01-29 17刷
価格 800 (古本市場で 105)
ISBN4-06-118189-0

 訳者あとがきの日付が「一九八五年一月」となっている。少し前に「1985年」という本を読んだがあの年である。そういえば、あのころから恐竜絶滅の原因が天体衝突だとする説が有力になってきたような気がする。ちなみにユカタン半島の重力異常が再発見されるのは 1991 年で、決定的証拠がそろう前の何か熱した議論を感じる本である。
# さらに言えばシューメーカー・レヴィ第9彗星が木星に衝突したのが 1994 年で、一気に天体衝突が身近になった。

 内容は多義に渡り、やや冗長なのだけど、K-T境界線のイリジウム、オスミウム含有を有力証拠として、直径 10km の隕石衝突を説明している。面白いのは「ユカタン前」なので衝突位置をアイスランド周辺と仮定してみたり、「クレーターは見つからない可能性」を検討してみたりしている。それでも他の状況から衝突点が北半球にあることなどを予想し、いい線行っている。

 恐竜絶滅から発展し、生命そのものに対する考察も行っており、リチャード・ドーキンスの本も「自分本位の遺伝子」という題名で肯定的に引用されている。恐竜・は虫類からほ乳類への交代はやっぱり 6500万年前の隕石衝突が決定的なのだろうけど、だからといって「恐竜の設計が悪かったわけではない」ことを力説しいる。人類うぬぼれるなよと。




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