渋滞学2013-10-23 04:05

渋滞学
著者 西成活裕
発行 新潮社 2006-09-20 2010-05-15 第15刷
価格 1200+税(ブックオフ 650)
ISBN978-4-10-603570-8

渋滞のモデルとして ASEP という離散モデルが有効らしい。
渋滞は波だと思っていたが、そういう状況も作り出せるらしい。前の車の動きを見てブレーキを踏むので、渋滞の波は前から後ろに伝わる。
渋滞がいつも同じようなダンゴ状態を作り出すなら、渋滞自体が一種の「自己組織化」の過程なんじゃないのか。

不完全性定理とはなにか2013-08-11 22:19

不完全性定理とはなにか
副題 ゲーデルとチューリングの考えたこと
著者 竹内 薫
発行 講談社 2013-04-20 第1刷
価格 900+税
ISBN978-4-06-257810-3

自分も教科書ではなかなかわからず、モヤモヤした気持ちのままでいた。
本書の「ステップ式」がわかりやすいかといば、やはり途中で混乱ぎみになってしまったと思う。それでも高校のころの休まず考えられる時期に戻ることができたなら、理解できたかも。
副題からして「チューリング的に考えればいいんじゃない?」というノリに従えば、「while を含んだプログラムが有限回で停止するかどうかを、判定するプログラムが書けるか」という問題にできるようである。プログラム論にしてくれれば問題自体はわかりやすい。

複雑な世界、単純な法則2013-03-20 08:27

複雑な世界、単純な法則
副題 ネットワーク科学の最前線
著者 マーク・ブキャナン 訳 阪本芳久
発行 草思社 2005-03-03 第1刷
価格 2200+税 (ブックオフ 500)
ISBN4-7942-1385-9

誰とでも 6 人でつながるとうスモールワールド現象の本。
神経系もスモールワールドであるということから、神経系の動きはネットワーク理論で解いていけるのではないかという期待が膨らむ。
ネットワーク理論を、還元的手法で解けない創発・自己組織化を説明するものとして位置づけている。

ところで、創発は自己組織化行うブロック群が存在しないといけないと思うのだけど、電磁力の働く原子や分子はそのブロックになりうるけど、重力しかない暗黒物質とか集まる気もなさそうな暗黒エネルギーは自己組織化とは遠い存在。すると自己組織化しないものがノーマルで、逆に普通の「物質」は自己組織化のための特別な存在なのかも。

多摩六都科学館「図形から語る数学の世界 ~不思議な3つのラングランズを巡って~」2012-09-08 22:38

特別企画「サイエンスカフェ2012~数学と物理で宇宙を探る~」の3回目

IPMU のサイエンスカフェだから宇宙の謎なんかが話題になってくるんだとうという思い込みで参加。
はじめ図形の話があって、そのうち計算問題がいくつか出てくる。有限体の計算になるのかな。
そして楕円曲線の有理点を数えることになり、突如「保型形式」が出てくる(Πを使うやつ)。
そこでやっとフェルマーの最終定理の一部分の解説になっていることに気付く。昔読んだサイモン・シンの「フェルマーの最終定理」で出てきた楕円曲線とかモジュラーとかの具体的な形が見えて少し感動したかも。
講師は双対性の不思議を訴えたかったのかも。もし、「宇宙」のみ期待していたら残念なことに・・・。

ちなみに IPMU は「数物連携宇宙研究機構」だと思うのだけれど、「連携している」ではなく、「連携できたらいいな」程度のものであるかも。なぜなら講師は物理とかには興味はなさそうで・・・。いやいや、やっぱ数学者ってのは「何々に役に立つため」なんて考えてやってたら何もできないって。

「余剰次元」と逆二乗則の破れ2012-08-26 22:47

「余剰次元」と逆二乗則の破れ
副題 我々の世界は本当に三次元か?
著者 村田次郎
発行 講談社 2011-02-20 第1刷
価格 900+税
ISBN978-4-06-257716-8

強い力は距離が離れると一次元に広がり(つまり広がらない)、近くだと三次元的な広がりとなる。それの類推で重力は日常的には三次元的に広がるけれど、0.1mm より小さい距離では複数次元の広がりをもつかもしれないと。またそれが重力が他の力より弱い理由かも知れないと。
超ひも理論が求めるそれらの要請をどうやって実験的に裏付けていくかという努力が内容。
革命前夜という感じでおもしろい。




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