「少年A」この子を生んで・・・・・・2010-03-13 02:44

副題 父と母 悔恨の手記
著者 「少年A」の父母
発行 文芸春秋 2001-07-10 第1刷 2006-08-01 第18刷
価格 514+税 (エーツーで 105)
ISBN4-16-765609-4

 亡くなられた方々の冥福を祈ります。

 やり切れない内容である。何も解決していない。何が伏され、
どこが思い違いで、編集がどう入っているかわからないが、
それでも事実は含まれているのだと思う。

 僕が気になったのは P 248「お兄ちゃんを恨まないでやってな。
(少年院から)出て来たら、あんたら兄弟なんやから助けてあげてよ」
というところで、少なくとも僕が弟だったら助けることはできないと
思う。

 人間の精神はある確率でずれていくのではないかと思う。
特に思春期はその確率が高くなっているような気がする。
ずれ過ぎた場合、それを元に戻すことができるのかどうか
わからない。まして父母がそれを戻すことができるのか
どうかわからない。

 悲しい物語を読んだり観たりした後だったのかよく覚えていないが
たまに変な夢を見る。誰かを殺めるというようなことではないの
だろうが、たくさんの人に迷惑をかけて取り返しがつかないことを
したと後悔している夢である。物語で言えば悪役の物語後の状態
のようなへんな状態である。その夢は覚めて、「何だ夢か」で日常
に戻るのだけれど、その夢が覚めなかったらさぞかし辛いだろう
とは思う。

産んではいけない!2010-03-13 03:43

著者 楠木ぽとす
発行 新潮社2005-01-01 第1刷 2005-08-30 第4刷
価格 476+税 (エーツーで 105)
ISBN4-10-116131-3

 母親の視点で、子供を育てる辛さを書いている。
実はこの本は「「少年A」この子を生んで・・・・・・」の
前に読み終わっており、読み終わった頃は「何もそこ
まで子育てを辛く書かなくていいのに」と思っていた。
しかし、「「少年A」この子・・」の沈み込み具合と比べて
しまうと、非常に明るい表現であることに気づく。
 要は、子供を産むなら覚悟しなさいということ言って
いるのである。子供がいるいろいろなパタン(専業とか
共稼ぎとか)についてグチっているので、自分の体感だけ
ではないのは確かである。たぶん著者自身は子煩悩である。
その上で「少子化なんてくそくらえ」と言っているので
あるから、結構説得力がある気がする。少子化対策なんて
ことより、安易に子供作ることを戒めることの方が重要
であるような気がしてきた。




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