生物と無生物のあいだ2011-01-13 01:21

著者 福岡伸一
発行 講談社 2007-05-20 第1刷 2007-06-22 第4刷
価格 740+税 (ブックオフ 350)
ISBN978-4-06-149891-4

生命とは「よどみ」のようなものという表現があったが、ある程度同感する。
分子の中に生命の正体が隠されているのではなく、分子集団の振る舞いの中で、ある種のものが「生命をかたちづくる」と思っていたので、それを「よどみ」と表現されてもいいのかなと思う。僕としてはどちらかというとある程度整った流れのなかの「渦のようなもの」と日頃考えている。
けど、著者がウイルスを「生命でない」ときっぱり言うのはどうかなと思う。
「渦」がどの程度「渦的」かはアナログ量であり、生命かどうかもアナログ量なのだと思う。そうするとウイルスの「生命さ」は 0 ではないと思うから。

哲学的な話はともかく、タンパク質の振る舞いについていろいろ考えさせられた。タンパク質が「壊れる」というのはアミノ酸配列が切れることではなく、三次元構造が壊れることであると気づかされた。配列を切るのは「分解」であり、求められる三次元構造の集団を維持するプロセスである。その三次元構造が「相補性」を持っており、生命化学プロセスを実行するブロックであるというわけである。そして個体の老化というのはいろいろな三次元構造の修復不能の集積であり、結局それは「種から分解」される。もちろん個体の死のことである。

なんかやっぱり哲学っぽくなっちゃったか?

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